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冒頭一覧
限りなく透明に近いブルー
限りなく透明に近いブルー
ジャンル
小説
作者
村上龍
飛行機の音ではなかった。耳の後ろ側を飛んでいた虫の羽音だった。蠅よりも小さな虫は、目の前をしばらく旋回して暗い部屋の隅へと見えなくなった。