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流し読む冒頭

流し読み(ながしよみ)とは集中して読むのではなく、力を抜いて軽く読むさま。読み流すさま。

夜明け前

ジャンル
小説
作者
島崎 藤村
木曽路はすべて山の中である。あるところは岨(ソバ)づたいに行く崖の道でり、あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。

風の又三郎

ジャンル
小説
作者
宮沢 賢治
どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう

ジャンル
小説
作者
安部 公房
目を覚ましました。朝、目を覚ますということは、いつもあることで、別に変ったことではありません。しかし、何が変なのでしょう? 何かしら変なのです。

ジャンル
小説
作者
司馬 遼太郎
雪が来る。

もうそこまできている。あと10日もすれば北海からの冬の雲がおおい渡って来て、この越後長岡の野も山も雪でうずめてしまうにちがいない。

平凡

ジャンル
小説
作者
二葉亭 四迷
私は今年三十九になる。人世五十が通相場なら、まだ今日明日穴へ入ろうとも思わぬが、しかし未来は長いようでも短いものだ。過去って了えば実に呆気ない。まだまだと云ってる中にいつしか此世の隙が明いて、もうおさらばという時節が来る。其時になって幾ら足掻いたって藻掻いたって追付かない。覚悟をするなら今の中だ。

永遠の0

ジャンル
小説
作者
百田 尚樹
あれはたしか終戦直前だった。正確な日付は覚えていない。しかしあのゼロだけは忘れない。悪魔のようなゼロだった。

晩年

ジャンル
小説
作者
太宰 治
死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。

海賊とよばれた男

ジャンル
小説
作者
百田 尚樹
青い空がどこまでも続いていた。
湧き起こる白い入道雲のはるか上には、真夏の太陽が燃えていた。

見上げる国岡鐡造の額に汗が流れ、かけていた眼鏡がずれた。
シャツもべっとりと汗が滲んでいたが、暑さは微塵も感じなかった。

たけくらべ

ジャンル
小説
作者
樋口 一葉
廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お歯ぐろ溝(ドブ)に灯火うつる三階の騒ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行来にはかり知られぬ全盛をうらないて……。

風の歌を聴け

ジャンル
小説
作者
村上 春樹
「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」
僕が大学生のころ偶然に知り合ったある作家は僕に向ってそう言った。

大東亜戦争終結ノ詔書

ジャンル
演説
作者
迫水 久常
朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現狀トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ收拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク

細雪

ジャンル
小説
作者
谷崎 潤一郎
「こいさん、頼むわ。―」鏡の中で、廊下からうしろへ這入って来た妙子を見ると、自分で襟を塗りかけていた刷毛(ハケ)を渡して、其方は見ずに、眼の前に映っている長襦袢(ジュバン)姿の、抜き衣紋(エモン)の顔を他人の顔のように見据えながら……。

浮雲

ジャンル
小説
作者
二葉亭 四迷
千早振る神無月ももはや跡二日の余波となッた二十八日の午後三時頃に、神田見附の内より、塗渡る蟻、散る蜘蛛の子とうようよぞよぞよ沸出でて来るのは、孰(イズ)れも顋(オトガイ)を気にし給う方々。

坊っちゃん

ジャンル
小説
作者
夏目 漱石
親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校にいる時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事はある。

破戒

ジャンル
小説
作者
島崎 藤村
蓮華寺は下宿を兼ねた。瀬川丑松が急に転宿(ヤドガエ)を思い立って、借りることにした部屋というのは、その蔵裏(クリ)つづきにある二階の角のところ。

暗夜行路

ジャンル
小説
作者
志賀 直哉
私が自分の祖父のある事を知ったのは、私の母が産後の病気で死に、その後二月程経って不意に祖父が私の前に現れてきた、その時であった。私の六歳の時であった。

ゲティスバーグ演説

ジャンル
演説
作者
エイブラハム・リンカーン
Four score and seven years ago our fathers brought forth on this continent, a new nation, conceived in Liberty, and dedicated to the proposition that all men are created equal.

( 87年前、我々の父祖はこのアメリカ大陸に、自由の精神にはぐくまれ、すべての人は平等につくられているという信条に献げられた新しい国家を誕生させました。 )

返事はいらない

ジャンル
小説
作者
宮部 みゆき
その男は、真夏の強い日差しを照り返すアスファルトの路上に立っていた。

人間失格

ジャンル
小説
作者
太宰 治
私は、その男の写真を三葉、見たことがある。

銀河鉄道の夜

ジャンル
小説
作者
宮沢 賢治
「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」