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流し読む冒頭

流し読み(ながしよみ)とは集中して読むのではなく、力を抜いて軽く読むさま。読み流すさま。

竹取物語

ジャンル
物語
作者
不明
今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、万の事に使ひけり。名をばさぬきのみやつことなん言ひける。

たけくらべ

ジャンル
小説
作者
樋口一葉
廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お歯ぐろ溝(ドブ)に灯火うつる三階の騒ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行来にはかり知られぬ全盛をうらないて……。

暗夜行路

ジャンル
小説
作者
志賀直哉
私が自分の祖父のある事を知ったのは、私の母が産後の病気で死に、その後二月程経って不意に祖父が私の前に現れてきた、その時であった。私の六歳の時であった。

源氏物語

ジャンル
物語
作者
紫式部
いづれのおほん時にか、女御更衣あまた侍ひ給ひけるなかに、いとやむごとなききはにはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。

異邦人

ジャンル
小説
作者
アルベール・カミュ
きょう、ママンが死んだ。 もしかすると、昨日かも知れないが、私にはわからない。養老院から電報をもらった。「ハハウエノシヲイタム。マイソウアス」これでは何もわからない。恐らく昨日だったのだろう。

駈込み訴え

ジャンル
小説
作者
太宰治
申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの人は、酷い。酷い。はい。厭な奴です。悪い人です。ああ。我慢ならない。生かして置けねえ。

平凡

ジャンル
小説
作者
二葉亭四迷
私は今年三十九になる。人世五十が通相場なら、まだ今日明日穴へ入ろうとも思わぬが、しかし未来は長いようでも短いものだ。過去って了えば実に呆気ない。まだまだと云ってる中にいつしか此世の隙が明いて、もうおさらばという時節が来る。其時になって幾ら足掻いたって藻掻いたって追付かない。覚悟をするなら今の中だ。

グスコーブドリの伝記

ジャンル
小説
作者
宮沢賢治
グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。
おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。

太宰治情死考

ジャンル
小説
作者
坂口安吾
新聞によると、太宰の月収二十万円、毎日カストリ二千円飲み、五十円の借家にすんで、雨漏りを直さず。

徒然草

ジャンル
随筆
作者
吉田兼好
つれづれなるままに、日ぐらしすずりにむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

晩年

ジャンル
小説
作者
太宰治
死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。

雪国

ジャンル
小説
作者
川端康成
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。向こう側の座席から娘が立って来て、島村の前のガラス窓を落とした。

チャタレー夫人の恋人

ジャンル
小説
作者
D.H.ロレンス
ぼくらの時代の真実は悲劇的なものなので、ぼくらは悲劇的な捉え方を拒絶する。大変動がおこった。あたりは瓦礫の山となった。ぼくらは新しい小さな住みかを建てはじめ、新しい小さな希望を育みはじめる。かなり困難ないとなみだ。いまは未来へつながる平らな道がない。けれども、障害物のまわりを回るか上を乗りこえてゆく。何度空が落ちてもぼくらは生きなければならない。

返事はいらない

ジャンル
小説
作者
宮部みゆき
その男は、真夏の強い日差しを照り返すアスファルトの路上に立っていた。

学問のすすめ

ジャンル
小説
作者
福沢諭吉
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。

浮雲

ジャンル
小説
作者
二葉亭四迷
千早振る神無月ももはや跡二日の余波となッた二十八日の午後三時頃に、神田見附の内より、塗渡る蟻、散る蜘蛛の子とうようよぞよぞよ沸出でて来るのは、孰(イズ)れも顋(オトガイ)を気にし給う方々。

伊勢物語

ジャンル
物語
作者
不明
昔、男初冠(ウヒカウブリ)して、平城の京春日の里に、しるよしして、狩にいにけり。その里に、いとなまめいたる女はらから住みけり。この男かいまみてけり。

細雪

ジャンル
小説
作者
谷崎潤一郎
「こいさん、頼むわ。―」鏡の中で、廊下からうしろへ這入って来た妙子を見ると、自分で襟を塗りかけていた刷毛(ハケ)を渡して、其方は見ずに、眼の前に映っている長襦袢(ジュバン)姿の、抜き衣紋(エモン)の顔を他人の顔のように見据えながら……。

カラマーゾフの兄弟

ジャンル
小説
作者
フョードル・ドストエフスキー
アレクセイ・フョードロウィチ・カラマーゾフは、今からちょうど一三年前、悲劇的な謎の死をとげて当時たいそう有名になった(いや、今でもまだ人々の口にのぼる)この郡の地主、フョードル・パーヴロウィチ・カラマーゾフの三男であった。この悲劇的な死に関しては、いずれしかるべき個所でお話しすることにする。

ジャンル
小説
作者
谷崎潤一郎
先生、わたし今日はすっかり聞いてもらうつもりで伺いましたのんですけど、折角お仕事中のとこかまいませんですやろか?