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流し読む冒頭

流し読み(ながしよみ)とは集中して読むのではなく、力を抜いて軽く読むさま。読み流すさま。

ジャンル
小説
作者
安部 公房
目を覚ましました。朝、目を覚ますということは、いつもあることで、別に変ったことではありません。しかし、何が変なのでしょう? 何かしら変なのです。

友情

ジャンル
小説
作者
武者小路 実篤
野島がはじめて杉子に会ったのは帝劇の二階の正面の廊下だった。野島は脚本家をもって私かに任じてはいたが、芝居を見る事は稀だった。

君の膵臓をたべたい

ジャンル
小説
作者
住野 よる
クラスメイトであった山内桜良の葬儀は、
生前の彼女にまるで似つかわしくない曇天の日にとり行われた。

方丈記

ジャンル
随筆
作者
鴨 長明
行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。

枕草子

ジャンル
随筆
作者
清 少納言
春は、曙。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこし明りて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。

平家物語

ジャンル
軍記物語
作者
不明
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず。唯春の夜の夢のごとし。

女類

ジャンル
小説
作者
太宰 治
僕(二十六歳)は、女をひとり、殺した事があるんです。実にあっけなく、殺してしまいました。

永遠の0

ジャンル
小説
作者
百田 尚樹
あれはたしか終戦直前だった。正確な日付は覚えていない。しかしあのゼロだけは忘れない。悪魔のようなゼロだった。

走れメロス

ジャンル
小説
作者
太宰 治
メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

注文の多い料理店

ジャンル
小説
作者
宮沢 賢治
二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、白熊のような犬を二疋つれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさかさしたとこを、こんなことを云いながら、あるいておりました。

四畳半神話大系

ジャンル
小説
作者
森見 登美彦
大学三回生の春までの二年間、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。異性との健全な交際、学問への精進、肉体の鍛錬など、社会的有為の人材となるための布石の数々をことごとくはずし、異性からの孤立、学問の放棄、肉体の衰弱化などの打たんでも良い布石を狙い澄まして打ちまくってきたのは、なにゆえであるか。 責任者に問いただす必要がある。責任者は何処か。 私とて誕生以来こんな有り様だったわけではない。

蒲団

ジャンル
小説
作者
田山 花袋
小石川の切支丹坂から極楽水に出る道のだらだら坂を下りようとして渠は考えた。「これで自分と彼女との関係は一段落を告げた。三十六にもなって、子供も三人あって、あんなことを考えたかと思うと、馬鹿々々しくなる。けれど……けれど……本当にこれが事実だろうか。あれだけの愛情を自身に注いだのは単に愛情としてのみで、恋ではなかったろうか」

破戒

ジャンル
小説
作者
島崎 藤村
蓮華寺は下宿を兼ねた。瀬川丑松が急に転宿(ヤドガエ)を思い立って、借りることにした部屋というのは、その蔵裏(クリ)つづきにある二階の角のところ。

三島事件

ジャンル
演説
作者
三島 由紀夫
私は、自衛隊に、このような状況で話すのは空しい。しかしながら私は、自衛隊というものを、この自衛隊を頼もしく思ったからだ。こういうことを考えたんだ。しかし日本は、経済的繁栄にうつつを抜かして、ついには精神的にカラッポに陥って、政治はただ謀略・欺傲心だけ…。これは日本でだ。ただ一つ、日本の魂を持っているのは、自衛隊であるべきだ。われわれは、自衛隊に対して、日本人の…。しかるにだ、我々は自衛隊というものに心から…。

舞姫

ジャンル
小説
作者
森 鴎外
石炭をばはや積み果てつ。中等室の卓のほとりはいと静かにて、熾熱燈(シネツトウ)の光の晴れがましきも徒なり。今宵は夜毎にこゝに集ひ来る骨牌仲間も「ホテル」に宿りて、舟に残れるは余一人のみなれば。

人間失格

ジャンル
小説
作者
太宰 治
私は、その男の写真を三葉、見たことがある。

草枕

ジャンル
小説
作者
夏目 漱石
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

汚れつちまつた悲しみに

ジャンル
作者
中原 中也
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる

ごん狐

ジャンル
小説
作者
新美 南吉
これは、私が小さいときに、村の茂平というおじいさんからきいたお話です。

或る女

ジャンル
小説
作者
有島 武郎
新橋を渡る時、発車を知らせる二番目の鈴が、霧とまではいえない九月の朝の、煙った空気に包まれて聞こえて来た。