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流し読む冒頭

流し読み(ながしよみ)とは集中して読むのではなく、力を抜いて軽く読むさま。読み流すさま。

更級日記

ジャンル
日記
作者
菅原孝標女
あづまぢの道のはてよりも、なほ奥つかたに生ひ出でたる人、いかばかりかはあやしかりけむを、いかに思ひはじめける事にか、世の中に物語といふ物のあんなるを、いかで見ばやと思ひつつ、つれづれなる昼間・宵居(ヨイヰ)などに、姉・まま母などやうの人々の、その物語・かの物語・光源氏のあるやうなど、ところどころ語るを聞くに、いとどゆかしさまされど、わが思ふままに、そらにいかでかおぼえ語らむ。

田舎教師

ジャンル
小説
作者
田山花袋
四里の道は長かった。その間に青縞の市の立つ羽生の町があった。田圃にはげんげが咲き豪家の垣からは八重桜が散りこぼれた。赤い蹴出(ケダシ)を出した田舎の姐さんがおりおり通った。

源氏物語

ジャンル
物語
作者
紫式部
いづれのおほん時にか、女御更衣あまた侍ひ給ひけるなかに、いとやむごとなききはにはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。

チャタレー夫人の恋人

ジャンル
小説
作者
D.H.ロレンス
ぼくらの時代の真実は悲劇的なものなので、ぼくらは悲劇的な捉え方を拒絶する。大変動がおこった。あたりは瓦礫の山となった。ぼくらは新しい小さな住みかを建てはじめ、新しい小さな希望を育みはじめる。かなり困難ないとなみだ。いまは未来へつながる平らな道がない。けれども、障害物のまわりを回るか上を乗りこえてゆく。何度空が落ちてもぼくらは生きなければならない。

人間失格

ジャンル
小説
作者
太宰治
私は、その男の写真を三葉、見たことがある。

若きウェルテルの悩み

ジャンル
小説
作者
ゲーテ
ひと思いに出かけてしまって、ほんとによかったと思っている。人間の心なんて、変なものだね、君。ぼくがこれほどにも愛していて離れがたく思っていた君とわかれて、しかも朗らかにしていられるんだから。

にごりえ

ジャンル
小説
作者
樋口一葉
おい木村さん信さん寄つてお出よ、お寄りといつたら寄つても宜いではないか、又素通りで二葉やへ行く気だらう、

潮騒

ジャンル
小説
作者
三島由紀夫
歌島は人口千四百、周囲一里に充たない小島である。 歌島に眺めのもっとも美しい場所が二つある。一つは島の頂きちかく、北西にむかって建てられた八代神社である。

銀河鉄道の夜

ジャンル
小説
作者
宮沢賢治
「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」

桜の森の満開の下

ジャンル
小説
作者
坂口安吾
桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子をたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。

友情

ジャンル
小説
作者
武者小路実篤
野島がはじめて杉子に会ったのは帝劇の二階の正面の廊下だった。野島は脚本家をもって私かに任じてはいたが、芝居を見る事は稀だった。

桜の樹の下には

ジャンル
小説
作者
梶井基次郎
桜の樹の下には屍体が埋まっている!
これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。

高瀬舟

ジャンル
小説
作者
森鴎外
高瀬舟は京都の高瀬川を上下する小舟である。徳川時代に罪人が遠島を申し渡されると、本人の親類が牢屋敷へ呼び出されて、そこで暇乞いをすることを許された。

和泉式部日記

ジャンル
日記
作者
和泉式部
ゆめよりもはかなき世の中をなげきわびつつあかしくらすほどに、四月十よひにもなりぬれば、木のしたくらがりもてゆく。

帰去来

ジャンル
小説
作者
太宰治
人の世話にばかりなって来ました。これからもおそらくは、そんな事だろう。みんなに大事にされて、そうして、のほほん顔で、生きて来ました。これからも、やっぱり、のほほん顔で生きて行くのかも知れない。そうして、そのかずかずの大恩に報いる事は、おそらく死ぬまで、出来ないのではあるまいか、と思えば流石さすがに少し、つらいのである。

それから

ジャンル
小説
作者
夏目漱石
誰か慌ただしく門前を馳けて行く足音がした時、代助の頭の中には、大きな俎下駄が空から、ぶら下っていた。けれども、その俎下駄は、足音の遠退くに従って、すうと頭から抜け出して消えてしまった。そうして眼が覚めた。枕元を見ると、八重の椿が一輪畳の上に落ちている。

金色夜叉

ジャンル
小説
作者
尾崎紅葉
未だ宵ながら松立てる門は一様に鎖籠めて、真直ぐに長く東より西に横はれる大道は掃きたるやうに物の影を留めず、いと寂しく往来の絶えたるに、例ならず繁き車輪の輾(キシリ)は、あるいは忙かりし、

平家物語

ジャンル
軍記物語
作者
不明
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず。唯春の夜の夢のごとし。

機械

ジャンル
小説
作者
横光利一
初めの間は私は私の家の主人が狂人ではないのかとときどき思った。

砂の女

ジャンル
小説
作者
安部公房
八月のある日、男が一人、行方不明になった。休暇を利用して、汽車で半日ばかり海岸に出掛けたきり、消息をたってしまったのだ。捜索願も、新聞広告も、すべて無駄におわった。