平安時代中期の歌人・作家・女房(女官)。
『源氏物語』の作者とされ、この作品は生涯で唯一の物語作品となった。
歌人としては、『百人一首』の和歌が知られており、『紫式部日記』(18首)、『紫式部集』、『拾遺和歌集』などにも和歌を残し、和歌795首が詠み込まれた。
『中古三十六歌仙』、『女房三十六歌仙』の一人でもある。
また、娘の大弐三位も『百人一首』、『女房三十六歌仙』の歌人として知られる。
実名や正確な生没年は分かっておらず、宮中での女房名は藤式部(とう の しきぶ / ふじ しきぶ)で、後に「紫式部」と呼ばれたとされるが、いずれも通称である。
平安時代の貴族階級の女性は当時の慣習で実名を公にしない場合が多く、紫式部をはじめ清少納言や和泉式部などの名称は通称であり、実名はいずれもわかっていない。