1. TOP
  2. 冒頭一覧
  3. いずこへ

いずこへ

ジャンル
小説
作者
坂口安吾

私はそのころ耳を澄ますようにして生きていた。もっともそれは注意を集中しているという意味ではないので、あべこべに、考える気力というものがなくなったので、耳を澄ましていたのであった。