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それから

ジャンル
小説
作者
夏目 漱石

誰か慌ただしく門前を馳けて行く足音がした時、代助の頭の中には、大きな俎下駄が空から、ぶら下っていた。けれども、その俎下駄は、足音の遠退くに従って、すうと頭から抜け出して消えてしまった。そうして眼が覚めた。枕元を見ると、八重の椿が一輪畳の上に落ちている。

作者情報

 画像

日本の教師・小説家・評論家・英文学者・俳人。
本名は夏目 金之助(なつめ きんのすけ)。俳号は愚陀仏。
武蔵国江戸牛込馬場下横町(現:東京都新宿区喜久井町)出身。

明治末期から大正初期にかけて活躍し、今日に通用する言文一致の現代書き言葉を作った近代日本文学の文豪のうちの一人。

代表作は、『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『三四郎』『それから』『こゝろ』『明暗』など。

明治の文豪として日本の千円紙幣の肖像にもなった。

講演録に「私の個人主義」がある。漱石の私邸に門下生が集まった会は木曜会と呼ばれた。

大学時代に正岡子規と出会い、俳句を学んだ。

帝国大学(のちの東京帝国大学、現在の東京大学)英文科卒業後、松山で愛媛県尋常中学校教師、熊本で第五高等学校教授などを務めたあと、イギリスへ留学。
大ロンドンのカムデン区、ランベス区などに居住した。

帰国後は東京帝国大学講師として英文学を講じ、講義録には『文学論』がある。

南満洲鉄道株式会社(満鉄)総裁、鉄道院総裁、東京市長、貴族院議員などを歴任した官僚出身の政治家中村是公の親友としても知られる。