彼のことを、私と息子は博士と呼んだ。 そして博士は息子を、ルートと呼んだ。 息子の頭のてっぺんが、ルート記号のように平らだったからだ。
日本の小説家。岡山県岡山市中区森下町出身。日本芸術院会員。
1991(平成3)年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。 『博士の愛した数式』(読売文学賞、本屋大賞)、『薬指の標本』『いつも彼らはどこかに』『生きるとは、自分の物語をつくること』(河合隼雄との対話)はじめ多くの小説・エッセイがあり、海外にも愛読者を持つ。