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走れメロス

ジャンル
小説
作者
太宰 治

メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

作者情報

 画像

日本の小説家。本名は津島 修治(つしま しゅうじ)。

左翼活動での挫折後は、自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、第二次世界大戦前から戦後にかけて作品を次々に発表。

主な作品に『走れメロス』『津軽』『人間失格』がある。
没落した華族の女を主人公にした『斜陽』はベストセラーとなる。

戦後はその作風から、坂口安吾、織田作之助、石川淳、檀一雄らとともに新戯作派、無頼派と称されたが、典型的な自己破滅型の私小説作家であった。