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野菊の墓

ジャンル
小説
作者
伊藤 左千夫

後の月という時分が来ると、どうも思わずにはいられない。幼い訳とは思うが何分にも忘れることができない。

作者情報

 画像

日本の歌人、小説家。明治期に活躍した。本名は伊藤 幸次郎

明治法律学校(現・明治大学)で学ぶが、眼病のため中退し帰郷。
再度上京し、1889年に牛乳搾取業を始めた。

短歌に関心をもったのは1893年頃で、正岡子規の『歌よみに与ふる書』に感動、1900年に門人となった。

子規没後は、根岸短歌会の中心となり、「馬酔木」「アララギ」を創刊、アララギ派の基礎を作った。1905年には、純愛小説『野菊の墓』を発表、夏目漱石にも激賞された。

晩年には、感情の直接的表現と、熱情の奔流を主張する「叫び」の説を唱えた。門人に島木赤彦・斎藤茂吉らがいる。