「参謀本部編纂の地図をまた繰り開いて見るでもなかろう、と思ったけれども、あまりの道じゃから、手を触るさえ暑くるしい、旅の法衣(コロモ)の袖をかかげて、表紙を附けた折り本になっているのを引っ張り出した。
日本の小説家。 金沢市下新町生まれ。 帝国芸術院会員。
明治後期から昭和初期にかけて活躍した。 小説のほか、戯曲や俳句も手がけた。
1890(明治23)年上京、翌年より尾崎紅葉に師事した。
『夜行巡査』『外科室』で評価を得、『高野聖』で人気作家になる。 江戸文芸の影響を深く受けた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで、幻想文学の先駆者としても評価されている。
ほかの主要作品に『照葉狂言』『婦系図』『歌行燈』などがある。